手仕事と四季が醸す、
「手前味噌」。

お味噌汁はもちろん、ソースやタレなどにも活用しているOVEのお味噌。実は毎年、スタッフ自身で仕込み、発酵させて仕上げています。仕込みから完成までの期間はおよそ1年。時間をかけてじっくり寝かせ、その年の出来栄えを待つのも楽しみのひとつです。フードセラピストの石光がどんな思いをこのお味噌に込めているのかをお伝えします。

今回の担当スタッフ石光映美子

材料は大豆、麹、塩のみ。
1年という時間が、
濃厚な味噌へ仕上げていく。

ランチでお出ししているお味噌汁をはじめ、味噌はOVEにとって欠かせない大切な調味料。毎日使うものだから、自分たちの手で作りたい。そんな気持ちが自然とわいてきて、寒さがぐっと厳しくなる大寒の時期にスタッフ総出で毎年仕込みをしています。お味噌の材料は大豆と麹と塩のみ。たったこれだけなのに、時間をかけるとこんなに濃厚な味わいに変化するのは本当に不思議です。

麹は栃木の麹屋さんから、塩は島根県海士町の海士乃塩を取り寄せています。特にこの塩は粒が微細でクセがなく、旨味が強いのが特徴。私のお気に入りで、この塩でないと味が締まらないと感じます。ちなみに関東圏の味噌は大豆と白米麹で作るのが主流なのですが、試してみると玄米の麹の方が深みが出たため、OVEでは玄米麹で仕込んでいます。

自然の流れに任せるおもしろさ。
味噌作りと散走の共通点。

大寒の頃に仕込んで樽で寝かせること1年。冬から春へ、夏へと季節が大きく変わる中、樽の中では静かに発酵が進みます。夏の湿気や暑さを乗り越えないと味噌は完成しません。それだけ日本の四季や食文化との深いつながりを感じられることも味噌作りの魅力です。

つながりと言えば、味噌作りは散走とも似ているような気がしています。散走って同じ場所でも季節によって感じ方が変わるのがおもしろいのですが、お味噌も毎年出来上がりがどこか違うんです。同じ材料、同じ分量、同じ手順なのに…。暑さがキツい年は大丈夫かなと気がかりにもなりますが、散走のように自然がつくり出す自然の流れに任せています。

どんな食材にも合い、深みを与える
「隠し味」としての味噌のちから。

大豆を洗う、麹をよく揉む、大豆を潰す、材料をしっかり混ぜ合わせる…というように、味噌を仕込む過程のほとんどが「手」仕事です。仕込む量が多いほど大豆を潰す作業だけでも手がかかって本当に大変。でもそれこそ手を抜かず、丁寧にひとつ一つの作業をやり遂げると、必ずおいしさというご褒美となって返してくれます。

OVEではお味噌汁だけでなく、この豆乳と味噌を合わせたホワイトソースのように、いろいろな隠し味に味噌を使っています。他にも相性のいいクミンパウダーと合わせた味噌だれもおいしくておすすめ。どんな食材ともよく馴染み、味わいに深みを与えてくれる味噌のちから、まだまだ引き出す方法はあると感じています。

味噌作りの手順はこちら

お家でつくろう『 豆乳と味噌の
ホワイトソース 』

材料

  • 味噌大さじ2
  • 小麦粉大さじ3
  • にんにく一片(みじん切り)
  • 豆乳300cc
  • 100cc
  • オリーブ油大さじ3
ポイント

ロールキャベツのオーブン焼きや、ホワイトソースグラタンにおすすめです。

作り方

  1. フライパンに味噌、小麦粉、ニンニク、オリーブ油を入れ、弱火で全体を混ぜ合わせクリーム状にする。※焦げつきやすいので、材料をすべて入れてから火にかける。
  2. 豆乳を最初50cc入れ、馴染ませながらヘラで鍋底からゆっくりと混ぜ、残りの豆乳と水を加えて中火にする。
  3. とろみが出ててきたら火を止めて出来上がり。
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