じっくり、土鍋で炊くごはん。

OVEのランチで提供しているごはんは、土鍋で炊き上げたコシヒカリの玄米を使用しています。ふっくら柔らかく、程よい歯ごたえもある玄米は、季節の野菜を使ったお味噌汁や主菜とも相性ぴったりです。今回はOVEのカフェで東洋医学の知見を生かしたメニューづくりと調理を行うフードセラピストの石光が、ほかほかの「土鍋ごはん」に込めた思いをお話しします。

今回の担当スタッフ石光映美子

大切に育てられたお米の栄養を
まるごといただく。

OVEの土鍋ごはんは、新潟県産コシヒカリの玄米を使用しています。農薬の代わりに黒酢を散布する「玄米黒酢農法」により、稲本来の力が引き出されるよう丹念に育てられた色白な玄米は、食感が柔らかく甘みがあるのが特徴。これなら玄米が苦手な方にもおいしく食べていただけると思い、ランチメニューとしてお出ししています。

そもそも玄米とは、白米なら取り除いてしまう胚芽やぬか、皮を含んだ、精米前のものを言います。この部分に、ビタミンやミネラルなどの栄養素がたっぷり詰まっているんです。食材を余すことなくまるごといただくことは、素材そのものの栄養を全ていただくということ。普段は玄米を食べないという方にも、まずはOVEのランチから気軽に取り入れていただけたらうれしいです。

拝むように、丁寧に。
柔らかく炊くための洗い方。

玄米は、固くてボソボソしているというイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、洗い方のひと工夫でおいしく炊くことができます。土鍋に入れた玄米をたっぷりの水に浸したら両手ですくい、お米同士をこすり合わせて拝むように丁寧に研いでいきます。

この「拝み洗い」によってお米の表面に傷が付いて水分がしっかり浸み込むので、炊き上がりが柔らかくつやつやに。炊飯する水の量は、手で計量。土鍋に入れた手が、手首の関節付近まで浸かるくらいを目安に、その日のお米の状態に合わせて調整しています。手の大きさや厚みは人それぞれなので、自分の好みに合う適量を見極めることが大切です。

コトコト、ふつふつ…
時間の経過を楽しむ土鍋炊き。

拝み洗いをした玄米は、「かまどさん」という土鍋で炊き上げます。この土鍋は肉厚なので、お米にゆっくり熱が伝わり、ふっくらと炊くことができます。最初は強火で、沸騰したら火を弱めて20分。コトコトと音を立てて少しずつ鍋に火が入り、ふつふつと水が吹いていく。徐々にごはんの香りがキッチン中に広がり、ランチタイムの訪れを知らせてくれます。こうして作る時間をじっくりとたのしむ土鍋炊きは、「ゆるやかな時間を過ごしてほしい」というOVEのカフェのコンセプトに合っていると思います。

OVEの「かまどさん」はもう10年近く使っていて、使い込むほどに鍋肌の色が変わって愛着のある姿になってきました。カウンターキッチンに置いていると、お客様から「新品よりもこれが欲しい」と言っていただくことも。毎日大切に使いながら、「育てていく」時間をじっくりと楽しむ。そんな土鍋ならではのよろこびがあることも、私が土鍋でごはんを炊く理由の一つです。

お家でつくろう『 OVE流 土鍋玄米ごはん 』

材料3合分

  • 玄米3カップ(3合)
  • 4カップ
ポイント

お米をこすり合わせる「拝み洗い」をすることで水を吸収しやすくなり、柔らかく仕上がります。土鍋を使う場合、水の量は玄米のカップ量+1にすることで、ふっくらした食感に炊き上がります。

作り方

  1. 玄米を拝むようにこすり合わせ、3〜4回洗います。
  2. 土鍋に玄米と水を入れて蓋をし、強火にかけます。
  3. 沸騰したら弱火にし、20分間炊きます。
  4. 火を止め、蓋を開けずに20分そのまま蒸らしたら、できあがりです。
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