レポート【7/7】第13回OVE地域交流会「自転車まちづくりについて」オンライン
株式会社シマノが運営するライフクリエーションスペースOVEでは、2014年の「散走読本」の発刊を機に、全国各地域・拠点で自転車まちづくりや自転車観光などを実践している、あるいはこれから取組みされようとしている地域のリーダーの方々にお集まりいただき、「地域交流会」を実施してまいりました。
アフターコロナ/ウィズコロナの時代にあって、持続可能で健康的なモビリティとして、自転車が再注目されています。この流れを一過性に終わらせず、継続させていくには、「自転車文化の底上げ」が欠かせません。一方で、一言に自転車文化と言ってもスポーツ、ツーリズム、移動手段、健康づくりなどさまざまな活用が考えられます。第13回を迎えた地域交流会では、各地域で自転車を活用したまちづくりに取り組まれている方々の知見をお借りしながら、これからの自転車文化向上について議論を深めました。
<当日スケジュールと内容>
・13:00〜 ご挨拶 (株)シマノ 専務取締役 津崎 祥博
・13:05〜 ご挨拶 一般社団法人 自転車協会理事長 山﨑 一氏
・13:10〜 自転車を取り巻く状況と課題 (株)シマノ 阿部 竜士
・13:30~ 各地域の取組と課題共有
テーマ:「連携」
地元理解を促す地域内連携や、行政機関の部署間連携に必要なこととは?
(各15分)
① 大田区自転車活用推進計画へ向けた地域・組織内連携について
大田区都市基盤整備部 都市基盤管理課 交通安全・自転車総合計画担当係長
小野澤 行平氏
② コンサルタントとして地域連携を促進する取組とは?
(株)日本海コンサルタント 社会事業本部 計画研究室 担当室長 片岸 将広 氏
③ ONOMICHIU2をはじめとする尾道の地方創生の取り組み、移住者による地域連携について
TLB(株)取締役 吉田 拳誠氏
④ りんりんスクエア土浦、自転車販売店による地域連携を促進する取組とは?
(株)サイクルスポット専務取締役(一般社団法人自転車協会 理事)加藤 京子氏
(休憩/10分)
・14:40〜 パネルディスカッション、質疑応答
・15:30 終了
今回のテーマ「連携」について、大田区の部署間連携では「自転車もひとつ」として何かお役に立てることはないか?と各部署に提案し、自転車をメインにした考えを押し付けないようにしていると、活用推進計画の進め方について大切なポイントをご紹介いただきました。
そして交通政策の専門家である日本海コンサルタントの片岸さんからは「連携」で重要なのはコーディネーターの存在とおっしゃってました。言葉で連携というと難しいのですが、人や組織が主体性を持って、有機的に連動することが大切だと言います。
しななみ海道の玄関口にあるONOMICHI U2では、オープン当初100名以上のスタッフは移住者の方が多く、地元民との連携にはかなりの時間を要したそうです。辛抱強く継続しながら、ハブとなる人が地域の信頼を築くことが重要。今では現地採用7〜8割の雇用を生んでいるそうです。レンタサイクルの利用が増えるようになった2014年以降は、地元に様々な自転車販売店が増え、早く走るためのロードバイクだけでなく、小径車や暮らしを豊かにするお洒落な車種など、多様な自転車の楽しみ方が広がっています。
土浦りんりんスクエアで「ル・サイク」を運営しているサイクルスポットさんでは、地元自転車販売店や商店と一緒に企画するイベントを開催したり、それぞれの強みを活かすことで地元の人が潤う(利益が出る)ことが大切と、「連携」で大切なポイントをご紹介いただきました。
最後に、自転車協会 山﨑理事長より、自転車を活用して様々な楽しみ方を推進するためには個人だけでなく、行政や地元民との連携が必要になってくるので、地域全体で目的を共有しながら進めてもらいたいと、コメントをいただき終了となりました。
主催 / ライフクリエーションスペースOVE
後援/ 一般社団法人 自転車協会
<ライフクリエーションスペースOVEについて>
(株)シマノが、新しい自転車ライフスタイルをご提案することを目的として、2006年1月より運営しているコンセプトストアです。Opportunity(機会)・Value(価値)・Ease(気軽に)をコンセプトに、様々な文化が交差する場として、価値あるモノ・コトを気軽に体験していただく機会を提供しています。
その機会のひとつとして、散歩のようにゆっくりと巡る「散走」という愉しみ方を提案しており、もっと多くの方に知っていただくために、2014年に『散走読本』を発刊させていただきました。
また、OVEを運営する(株)シマノ企業文化コミュニケーション部では「自転車と健康」に関する情報を「Cyclingood」というフリーペーパーやウェブサイトで発信しています。
「自転車通勤マインドスイッチ」ウェブサイトもご参照ください!