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旅先で散走…してみました!

散走よりみちTalkでは前回までの2回にわたり、旅先で散走することの魅力についてお伝えしました。今回は訪問先でふと思い立って散走するチャンスがありましたので、旅先散走実践編!としてその模様をご紹介したいとおもいます!

行き先は「日野」。滋賀県蒲生郡日野町は、滋賀県の南東部にあります。

現在OVEでは「近江日野商人の町めぐり散走フェア」を行っています。
といっても、下調べのために行ったはありません。「そういえば、旅先(京都・大阪)から日野ってそれほど遠くなかったんだ!(電車で約2時間=通勤と変わらない)」と、思い立って「ついつい」行くことになったのです。
そもそも、3日前まで電車で行けることすら知りませんでした。。。

日野へは新快速(JR京都線)で草津まで行き、JR草津線で貴生川(きぶかわ)へ、最後に近江鉄道に乗り換えます。
草津といっても、群馬県の温泉地ではありません。琵琶湖のほとり、大津と彦根の間にもあるのです。草津。

近江鉄道に乗り換える際「ICカード非対応です」という表示と、駅員さんから直接切符を買うシステム(つまり券売機がない)、さらに買った切符が硬券だったことで、電車旅気分が急上昇。がたんごとんと近江鉄道の旅が始まりました。

水口という町を横断、トンネルを抜けると日野の町に入ります。
目に飛び込んでくるのどかな風景。しばらくすると並行する道路に「日野駅    1km」という標示が見えてくる。まもなく日野駅。駅にはこれから遠足に行く幼稚園児が並んでいて、線路の外からお母さんと思われる方々が見送りをしている。

そんなのどかな秋晴れの1日。



駅前のお惣菜屋さんで自転車をレンタル

駅から最寄り、という理由でレンタサイクル屋さんを選択。駅舎の向かいにあるお惣菜屋さん「松喜園」で自転車を借りました。いわゆる「電動アシストシティサイクル」。カゴ付き、鍵付きの自転車です。ちょっと小荷物があったので、カゴ付きがよかったのです。それに、町を走るのにはこれくらいが丁度良い(浮かない。悪目立ちしない)はず、という目論見もありました。

同じ電車にのっていたおじさん(私より若いかもしれません。。。汗)が、先に一台借りてしまい、3台しかない電動アシスト自転車の在庫が心配。。。なはずですが、なんと前日に予約をして自転車をおさえていたので、借りることができました。必ず、レンタルする予定があれば、前日の晩であっても予約をしておく方が安心です。

さて、レンタサイクルを探していたときに日野町では現在「サイクルスタンプラリー」を実施していることを知りました。せっかくだから参加してみようと、アプリをダウンロード・インストール、準備万端で出発したのです。気分屋の筆者のこと、そんなきっちりしたスタンプラリーなどやっても途中で嫌になって投げ出すのは目に見えていたのですが。。。



日野町といえば。。。

駅を出ると早速「蒲生氏郷公を大河ドラマに」という、地方ではおなじみの看板が目に飛び込んできました。蒲生氏郷公が描かれた建物もあります。

蒲生氏郷は、日野生まれの戦国時代の武将。蒲生氏はもともと日野周辺に勢力を持つ豪族でした。氏郷は幼少の時期、人質に出された織田信長に見出され、信長そして豊臣秀吉の下で活躍、伊勢の松坂に移り城下町を作り、その後会津黒川へ移り城下町を作った。それぞれの街に楽市楽座を作り、商人が集まった。松坂はのちの松坂商人(有名どころは三井高利)を生み出し、近江と並ぶ「伊勢商人」出身地の一つとなりました。会津に移った氏郷は奥州での反乱を鎮圧、徳川・毛利に次ぐ大大名となりました。
それだけではなく氏郷はキリシタン大名でもあり、また利休七哲の筆頭に挙げられる文化人でもありました。日野町に立つ氏郷の銅像が手にするのは刀ではなく帳面・筆・矢立(筆記用具、墨と筆を収める)、日野の霊峰・綿向山に向かい望郷の歌を詠む像なんだそうです。

さて、そのような氏郷。出身地日野町の人々が誇りに思うのも納得がいきます。これは是非とも氏郷の銅像に立ち寄り、最初のスタンプを。。。と思いながら、道を行きます。

ぱっと見は「よくある街道の風景」なので、「いつかきた道」感が頭をよぎりかけたそのとき、「おや?」と思うことがありました。町屋を囲む焼杉の板塀の柱(枠?)の部分がうっすらと赤く塗られているものが目立ってきたのです。日本中の街道を知っているわけではないのでわかりませんが「特徴的」なような気がしました。

それも、メインの通りから脇道に入っても、古い街並みが残っているのです。もちろん、新しい住宅もありますし、新しい住宅が悪いわけではありません。ただ、取って付けたような「メインストリートだけが昔風」という町ではないことはわかりました。

※壁に塗られている赤いものばベンガラと呼ばれ、塗料として使うと防虫効果があるとのこと。ちなみに、滋賀県の名産「紅こんにゃく」の色をつけているのも、このベンガラだそうです。(食べられるのね。。。)




自転車にやさしい町?

日野の町を走っていると、大きな角ごとに道案内の表示があったり、気になる建物や寺社・史跡が目に入るとそこには"ほぼ"必ず丁寧な案内文が掲示されています。

これは、散走にもってこいの町だ!

と、楽しくなってしまい自転車を乗り回すのです。町の中を右に左に、あちこち細い路地に入ったり町屋のある地域の境目を流れる川筋(一段下がった川筋のその先には田園風景が広がっています)へ出て写真を撮ったり。

そのころには、もうスタンプラリーどころではありません。蒲生氏郷の像も、とうに通り過ぎてしまい、スタンプラリーはあっさり棄権することにしました。あとで見返せば、結構なポイントを稼げていたはずなのですが、ちまちまとスタンプを集めるために走るのはもったいない気がしたのです。地域活性化を考えている方々、参考にしてください!

ちなみに、蒲生氏郷の銅像へは、帰る間際に立ち寄りました。



城攻めにGo!

しばらく走ると「日野城」という文字が目に飛び込んできました。
せっかくなので(そして最初城下町として発達した町なので)お城には行かねばと、城攻め開始!

お城に近づいて目に飛び込んできたのが「うなぎ 本丸」の看板。あまりにガチなのでウケてしまい、写真を一枚!ここはお堀かな、という窪地を脇目に進むと程なくしてお城の脇の駐車場に到着しました。鰻屋さんは、本丸跡にピッタリと寄り添う、大きなお店でした。
駐車場の先には「遊水池?」と思われるような広大な広場があり、そのまんなかを川が流れています。

城跡を隈なく周り、さて次の場所へ...と思ったところに一台の車がやってきました。
「あらー、すっかり水がないのね」
と車のご婦人がおっしゃるので、話を伺うと、ここはダムらしい。なんで水がないのだろう。と聞くと、
「あそこにいる人に聞いてみましょうよ、すみませーん」
と、ダムを眺めていた男性に声を掛ける。

聞くところによると、このダムは灌漑用のため、水が不要のこの時期には抜いてしまうらしい。これから春に向かって徐々に水を溜め出すのだそうだ。
「ここは桜も綺麗ですよ」
と教えていただきました。朴訥としながらも、丁寧に優しく、怪しい観光客に説明してくださいました。感謝感激。

一緒に質問したご婦人ともども、ご挨拶してお城を離れたのでした。





今回のまとめ
・初めて訪れる場所で散走すると、時間の制約の中でも自由度が高く、ひとりでも盛り上がること間違いなし!
・レンタサイクルは事前に予約がおすすめ
・道ゆくヒントとして使いたいならスタンプラリーは有効。自分の意志で動きたくなると不要
・わからなければ、聞く。道も、町も、なんでも。小さな出会いと物語が生まれます。お礼と挨拶を忘れずに。

(次回につづく。。。かも)


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