STAFF BLOG スタッフブログ

自転車で行ってみた⑤ 浅草っ子の町でみつけた 居心地のいい喫茶店

浅草寿・フロムアファー


昭和レトロのおかず横丁

この時期に散走するのは寒そうだと思われがちだ。実際は、春に向かって高くなっていく日差しを受けて、意外と暖かく走れるものだ。自転車に乗っていると、五感で季節の変化をちょっと早く実感できるので、少し得した気分だ。

蔵前橋通りにある鳥越神社のすぐ近くに、おかず横丁という名の商店街がある。この地域は、かつて家族で営む町工場が多かったらしい。忙しい日々の暮らしの中で食事の手間が省ける総菜屋が多くできたことから、名付けられたのだという。昔は多かった店も今では三十軒ほどになったが、昭和の雰囲気を残したなんとも懐かしい匂いがしてきそうな商店街だ。


リノベーションカフェで、ひと心地

おかず横丁から、浅草の方へ向かう。東京の中でも、寺町として栄えた浅草だが、遊郭や料理屋が近隣に多かったこともあり、どこか粋な雰囲気が漂う。江戸っ子と言われると自分たちは浅草っ子だという、そんな浅草っ子の心意気や、気位を感じる町だ。

雷門の南がわ、浅草通りと蔵前橋通りに挟まれた一角は、その名も寿(ことぶき)という、町名からしておめでたいところ。路地を巡っていると一軒のカフェをみつけた。大きな木のドアを開けると、天井が高く、広い店内が見渡せる。かつては印刷所だったところを改装したそうだ。白い壁とダークな木調をベースにしていて、落ち着いた雰囲気。「ごゆっくりどうぞ」と笑顔のスタッフに言われていただく熱いコーヒーが体に染み渡る。




ここまで来たのだから隅田川へも行ってみよう。自転車だからこその自由な感覚は散走ならでは。美味しいコーヒーでひと心地ついたからか、ペダルを踏む力も強くなった気分だ。

路地を縫うように走って隅田川に出ると、目の前にうぐいす色のアーチの厩橋。橋の上からはスカイツリーもくっきりと見える。振り返って下流を見ると春を感じさせる日差しを受けて、隅田川がいつもより、きらきらしていた。



PAGE TOP