地名の起源、ご存知ですか?
「この辺は坂多いですね。赤坂、青山というだけのことはある」
これはOVEにいると、よく聞く話。
でもちょっと待った!
「赤坂」の起源は「坂」だと言われているのですが、「青山」の起源は「山」ではないのです。※
青山の起源は、戦国時代徳川家に仕えていた青山氏が拝領した土地だったことで、ほぼ間違いないとされています。それに、アップダウンはあるものの、青山周辺に山と呼べるような地形は(少なくとも今は)ないのです。
青山氏の土地拝領のエピソードには、鷹狩に行った時に「馬で回れたところを拝領」した。というものが残っています。が、実はお隣の新宿にも同じエピソードがあります。徳川家康がそういう人だったのか、エピソードが混乱しているのかは、またいつか話題にできたらと思います。
さて、そんなわけで、実は「山」とは関係ない青山ですが、台地を削った谷が点在していてアップダウンが多いのは事実。山手線エリアにはそういった地形が多いのです。
しかし、都心のこういったエリアの場合、高低差はたいてい2-30メートルくらいしかありません。辛そうな坂を見つけて「ちょっと嫌だなぁ…」と思ったら、さっさと自転車から降りて押すことをオススメします。まわりの景色を見回しながら歩いてみる、なんならスマートフォン片手に(←自転車から降りて押している状態です。念のため)気になるモノの写真なんをかビシバシ撮ってしまう、というのも散走らしくてオススメの「坂のやり過ごし方」です。
さて、随分と脱線しましたが地名の話に戻ります。
このように、地名の由来にはいろいろなエピソードが隠されていることがあります。
破天荒(保護者の間でその素行が問題になること多々)だが心優しい少年が主人公のマンガ/アニメで有名になった「埼玉県春日部市」ですが、この「かすかべ」という地名、「春日部」→「粕壁」→「春日部」と読みはそのままながら漢字は二転三転しているのです。(奥の細道では江戸時代に使われていた「粕壁」が用いられていますね)
このような地名の由来については、「地名 由来」で検索すると、いろいろなサイトが出てきます。それらを読んでみると面白いかもしれません。ただ、最近の問題は
・どこかにあるオリジナルの文言をコピペしただけ
・いくつかのサイトの説明を「適当に」組み合わせる
・適当に編集したうえで、不要(余計)なモノを書き加える←蛇足というヤツですね
というようなサイトが乱立していることです。そういうサイトを見ながら適当に楽しんでみてください。
どうしても正解が知りたい!というときは、基本的には自治体のまとめているページ(そのほか現地にある案内板など)が、一番正解に近いのではないかとは思います。
でも結局は歴史の話。何が正解か、それで必要十分な説明なのか、わからないところこそが魅力なのかもしれません。学校のテストではないので、必ずしも100%の答えが必要なわけではないのです。
頭を柔らかくして、地名を眺めて見ましょう。ちょっとその土地についての親しみが沸くかもしれません。
※ 素晴らしいことに、港区のホームページには現在の町名の起源をまとめたページがあるのです。ご参考まで