ソウルフードを探して
自転車で街を走ると、昔から地元の人や近隣で働いている人が足繁く通っている「だろうなー」と思われる店を見かけることがよくあります。「よそもの」は躊躇してしまいがちなそんな店。でも最近は、グルメサイトのおかげもあってか、敷居が下がったようにも思えます。
知らない街でも知っている街でも、ごはん時に人が並んでいる店を見かけたら気になるもの。何のお店なのか、どんな人たちが並んでいるのか、雰囲気は自分好みか。サイトなどの評価や口コミはあくまでも「参考」、自分の目と耳、そして鼻と心を信じましょう。これぞ散走!
そのまま行列に並んでみるのもよし。しばらく街を巡って、ランチのピークタイムが過ぎてからお店に向かうのもよし。駐輪場所を確認しておくのも散走の時のポイントです。
五感を頼りに街をふらりと巡ってみれば、街の雰囲気や成り立ちだけでなく、意外な掘り出しものが見つかるかもしれません。
さて、今回はOVE散走コンシェルジュ中村が散走案内人と二人で浅草橋を巡ります。立ち寄ったのは、散走案内人が以前出会った街中華「水新菜館」。以来この辺にくるときは大抵ここでご飯を食べるという散走案内人。店の名物はホールに立つご主人の手際良さ。観察していると、入ってくる一人ひとりのお客さんとのコミュニケーションがとにかく絶妙なのです。
せっかく二人で行ったのだから、別々のメニューを頼んで写真を撮ろう。一つは名物のあんかけ焼きそば、さてもう一つはどうしよう?...と悩んでいると、ふと現れて「牡蠣油の牛肉炒め定食」なんてどうでしょう、とおすすめしていただきました。アツアツのあんかけは猫舌には強敵ながら、それでもあっというまに平らげました。
食後は、近くの喫茶店「コーヒーの大使館」で一服。イマドキじゃない喫茶店も落ち着くものです。
さて、浅草橋とは神田川にかかる橋の名前。水戸街道・奥州街道が神田川を渡る場所。神田川は江戸城の堀も兼ねていたので、江戸時代には見附(城門、番兵がいた)がありました。
神田川は浅草橋から250mほどで隅田川に注ぎ込みます。浅草橋の下流にもう一つかかる橋が柳橋。花街として栄えた界隈ですが、1999年に最後の料亭が廃業。現在は神田川沿いに橋のアーチと屋形船が並ぶ風景がトレードマークとなっています。
浅草橋は人形の問屋街として有名でしたが、最近ではアクセサリーパーツの問屋街としての方が名が通っているかもしれません。メインストリートの江戸通りや、JRの高架沿いには問屋さんを訪れる人たちが。
相撲の両国、サブカルと電気製品のアキバに隣接し、浅草・日本橋に挟まれているため「穴場」感満載の浅草橋。水新菜館だけでなく「おっ?」と立ち止まりたくなる面構えの店がチラホラ。散走しがいのある街なのです。
「街にいったらソウルフード探し」、是非お試しください。街の息遣いが聞こえてきます。
散走スタッフ中村と散走案内人が「一緒に」散走するこの企画は、2回めの今回がなんと最終回。次回からは単独行動。乞うご期待!なのです。