建築散走とトイレ(不定期連載-3)
恵比寿周辺のトイレ(1)
筆者は相当なトシなのです。大学受験のために上京してきたとき、歩くのが好きなもので目黒から渋谷まで、山手線沿いを歩きました。そのとき、恵比寿にはビール工場があったように記憶しています。もう30年以上も前のことです。
さて、1988年に工場が閉鎖され再開発も進んだ恵比寿は隣接する代官山や中目黒とともに、独特の地位?を得た恵比寿ですが、ここも実は渋谷区。というわけで「The Tokyo Toilet」の作品があるのです。すでに稼働している3件を自転車で巡ってみました。
ひとつめは前回の「ザ トウメイ トウキョウ トイレット」とともに、公開第一弾の作品群に含まれていた、恵比寿公園トイレ。
コンクリートに刻まれた木目が特徴的です。日本のトイレの起源「川屋(川に直接スルための小屋、厠の語源とのこと)」をイメージしたとのことです。コンクリートなのだけど、木目のせいか温かみを感じる、派手なようでちょっとしっとりした恵比寿公園周辺の雰囲気に溶け込んだトイレなのでした。