自転車おでかけスポット~荒川サイクリングロード憩いの場「SAN-ESU BASE 羽根倉通り」~
【SAN-ESU BASE 羽根倉通り】
スポーツ自転車に乗り始めると耳にすることが多い「荒川サイクリングロード(通称荒サイ)」。埼玉県にある武蔵丘陵森林公園から荒川沿いを走って東京湾へと向かう約80キロのルートの真ん中あたり、右岸側の羽根倉橋のたもとに位置する黄色い建物が2022年7月にオープンした「SAN-ESU BASE羽根倉通り」です。
自社ブランドの開発品を主体にした自転車製品卸売を営む「東京サンエス株式会社」が運営しているコミュニティーカフェで、どなたでも利用することが出来ますが、特にサイクリストにとって欠かせない駐輪スペースが店内外いたるところに設けてあるため、心置きなく休憩できる人気のスポットとなっています。
その人気の理由はもちろんそれだけではなく
①運動中のサイクリストが欲しているであろう味わいや材料にこだわったソフトクリームや飲み物が用意され体の中から癒してくれる
②東京サンエスが誇る自社ブランドの自転車パーツやウエア、小物など、通常目にすることが出来ない、物凄い数の製品の展示スペースがある
③さらにサイクリストと、自転車が大好きなスタッフがコミュニケーションを取ることで生まれる「輪」が心地よくワクワクした気持ちになれる
④さらにさらに天気がいい日は店内から見える「青空と緑とサイクリスト」という、目に飛び込む景色が最高に美しくすがすがしい
などなど、人によって楽しみ方はそれぞれなのでもっと沢山の理由はあると思いますが、自転車に乗ること以外の楽しさがあちこちにちりばめられている、そんな心躍る施設です。
では、早速見どころを一つずつご紹介。
【KURU】
東京サンエスの坂井美紀社長、肝いりのソフトクリーム屋さん。
入社するまでは自転車と関係のない仕事をしていたという坂井社長。20年程前、東京サンエスに入社し、2017年、お父様である先代の社長から職を引き継がれたそう。
「今でこそスポーツ自転車に乗ることもありますが、入社前はそういう訳では無かったんです。だからこそ私は自転車に乗る人の気持ちにも、乗らない人の気持ちにもどちらにも立って色々なことを考えることが出来る、それが強みなのかもしれません」。その気持ちはKURUのソフトクリームにも反映されています。
ソフトクリームが大好きで昔からソフトクリーム屋さんをやりたかったという坂井社長。
KURUのソフトクリームは自転車に乗らない方が食べても最高に美味しいわけですが、自転車に乗って体力を消耗している人の口の中がまったりしてしまわないよう、数ある中からこれだ!と思うソフトクリームを選びぬいて提供しているとのこと。さらにはトッピングにもこだわりが・・・
入口を入ってすぐ右手に注文カウンターがあります。そこにはレギュラーメニューのほかに「店主のきまぐれ」なるトッピング紹介がありました。
取材日(6月下旬)のこの日は日差しが強く、日陰の無い荒川サイクリングロードは暑くて暑くて・・・そんな日のきまぐれトッピングは「塩3兄弟」。汗をかいた後に補給が必要な塩分を美味しく取り入れられるよう、沖縄のさらふわ天然塩「雪塩」+レモン、オレンジ、リンゴの3種類のフルーツソースから味が選べるというもの。
私は迷わずその中から「レモン」を選び、急いで口へと運ぶのでした。
それはもうたまらなく全身に、その冷たさと美味しさが染み渡るわけです。より甘さを際立たせるまろやかな雪塩の塩味とフルーツソース。青空と緑が映える外の景色を窓越しに眺めながらそれを頂くわけですから、なんとも心地よく、長居せずにはいられません。なんて爽やかで穏やかな時間なんだろう。
他にも
・フルーツソーダ
・コーヒー(HOT/ICE)→運が良ければじっくりと丁寧に淹れてくれるハンドドリップコーヒーが飲める時もありますよ!
店主のきまぐれも含めこれらはどれも300円!!これだけこだわっている商品なのになんと良心的なお値段・・・
寒い時期には暖かいスープなど季節限定ものも販売しているそうです。
「来店されたお客様とお話することがとても楽しいんです。そしてここで縁がつながり、広まっていくことがまたとても嬉しいんです。」と、坂井社長。
SAN-ESU BASEを運営しているのは社長を筆頭に東京サンエスで働くスタッフの方々。平日は本社となる台東区で普通にお仕事をして、週末はSAN-ESU BASEへ。このスペースがとても楽しくて、自らこの場所へ出向かれるそうですから、働く皆さんがが本当に楽しんでいらっしゃるんだなという事が感じられる、自転車愛が詰まった空間です。
ご近所さんから自転車に乗る人まで、皆さんの気持ちに寄り添い、「ひんやり」を楽しめるけれど「ホット」な気持ちになれるそんなソフトクリーム屋さん。それがSAN-ESU BASEなんです。
【UXルーム】
東京サンエスは、国内外のブランドの取り扱いだけではなく、自転車のパーツ、小物、ウエアなどこだわりを持ったいくつものオリジナルブランドも手掛けています。
私が販売店に勤めていた頃も、探し物があればまずは「サンエスのカタログを見てみよう」となるほど、多彩なサイズ展開、カラー、パーツ、ウエア、バッグなどなど、かゆいところに手が届く商品が用意されています。正に「ユーザーの夢と希望」を叶えてくれる、そんな会社なのです。サンエスカタログを見ているだけで自転車に対しての気持ちがどんどん高まり、思ってもいなかった想像が膨らんでいきます。「こんな商品があるのならこれをつけてこんなカスタムできるんじゃない??」とワクワクしてきてしまうのです。
その種類の多さゆえに商品の大部分はカタログをみて注文することになるわけですが、そのオリジナル商品の大多数の現物を手に取ってみることができるという夢のスペースがここSAN-ESU BASEの中にあるんです!
それが「UXルーム」と呼ばれる展示室。とにかく入って驚くのがめまいがしそうな程のハンドルの多さ(笑)
すべてラックから外して手に取ってみることが出来ます。フロントフォークしかり、サイズや角度を確かめたい!と願う商品がずらり。「驚愕」とはまさにこのことです。
こんな素晴らしく充実した展示スペースは見たことがありません。運が良ければ開発スタッフのお話を聞くこともできるので、お話を聞きたい方は在店日を確認してから足をお運ぶことをお勧めします。このような場所を用意してくださる姿勢から、いかにお客様のことを考えて商品を開発しているのか?楽しんで、喜んでもらえる商品を作っているのか?を伺い知ることが出来るのです。
基本はSAN-ESU BASE営業日に見ることが出来ますが、どうしても平日に・・・という方は入場予約フォームから予約することが可能です(KURUの利用はできません)
KURUのホームページからご確認の上、ご予約下さい。
【くつろぎと談笑が弾む店内スペース】
お客様が入ってくるのを見ると即座にお客様をお迎えに行かれる坂井社長。「暑いのでどうぞ」とすぐに入口に用意されている冷水(冬には暖かいお茶を用意してくださるそう)を勧め、声をかけて誘導してくれます。注文が入れば自らソフトクリームを作り、すぐにまた次のお客様をお迎えする。ひっきりなしに動いていらっしゃるその姿は・・・とても楽しそう。自由に履き替えられるスリッパが用意されているのでビンディングペダルの方も気兼ねなく店内を歩くことが出来ます。
広くて明るいスペースの中には日ごろ販売店ではお目にかかれない女性もののサイクルウエア、オリジナルブランドのrocogowa(ロコゴワ)とニューヨーク生まれのTERRYの商品が展示されています。これは非常にありがたい。まだまだ女性ものの自転車やアパレル商品が店頭に並ぶことが少ないのが現状で、女性としては嬉しいものなんです。
他にも店舗周辺情報などを持ち帰ることが出来るコーナーもありますので荒サイを楽しむ方はぜひ情報をゲットしてお楽しみください。
窓際でソフトクリームを食べながら景色をみてまどろむのもよし、初めて会うサイクリストと会話に花を咲かせるのもよし、スタッフに「こんな商品が欲しいんです」と売り込んでみるもよし(笑)
ここにあるあれやこれやに興味が沸き、結局私は昼過ぎから閉店間際まで店を出ることが出来ませんでした。
【駐輪スペース】
敷地内には自転車にスタンドが装備された方用の駐輪スペース、入り口までの通路には自転車ラック、2階の店舗にあがるスロープを上ると正面に、更に店舗内にも駐輪スペースと、とにかく沢山の駐輪スペースが用意されており、困ることなく施設を利用することが出来ます。折りたたみ自転車の方は折りたたんでも畳まなくても店内に置くことが出来ます。
自転車に乗る人も乗らない人も、みんながくつろげる場所、「SAN-ESU BASE 羽根倉通り」。
ほんわかと暖かく、けれども自転車にもソフトクリームにもとても熱い情熱を持ったスタッフが気持ちよく皆様を迎えてくれますよ!
ぜひ足を運んでみてください。
SAN-ESU BASE 羽根倉通り ソフトクリーム店 KURU & UXルーム
住所: 埼玉県志木市上宗岡3-12-10 2階
営業日:土日等週末が中心ですが、悪天候時などは休業になるためKURUのX(旧Twitter)かInstagramなどで必ず営業日を確認してからお出かけください。
営業時間:10:00〜16:00(L.O.15:30)※季節により変更あり
アクセス: 自転車や公共交通機関などを利用してください。国際興業バス: 志木駅東口→宗岡蓮田にて下車 徒歩5分・ 南与野駅西口→宗岡蓮田にて下車 徒歩5分
駐輪場:建物の外、店内に駐輪スペース有(駐車場はありません)