【つちうら花めぐり散走】とサイクルホテルBEB5
自転車で楽しむ人に優しく、受け入れ口を沢山用意して迎えてくれる茨城県土浦市。サイクルサポートステーションのお店や、サイクリストに優しい宿があったりと自転車で地域を楽しんでもらいながらその良さを知ってもらおうと歓迎してくださる、その地域連携の素晴らしさを感じます。出発地点となる土浦駅ではサイクリストへの気遣いが駅の改札を出たとことから始まります。「つくば霞ヶ浦りんりんロード」や「霞ヶ浦1周」の玄関口、日本最大級のサイクリングリゾートがコンセプトの商業施設「PLAY atre’(プレイアトレ)」が駅から直結。レンタサイクルの充実はもちろん、あの星野リゾートが手掛けたサイクルホテル「BEB5土浦」がOPENしたり、施設内を自転車を押して歩けたり、更衣室、シャワールームが完備されていたりと驚くことばかり。もちろん施設の充実ばかりではなく自転車での楽しみ方も提案してくれています。今回はプレイアトレ主催の散走イベント「つちうら花めぐり散走」に参加してきましたのでその模様と、2020年10月にオープンしたサイクルホテルBEB5の様子をお伝えして参ります。
プレイアトレ土浦1階にあるル・サイク土浦店に9:30集合。ご自身の自転車での参加も可能なので、集合場所に颯爽と来られる方もいらっしゃいましたが、私はクロスバイクのレンタサイクルを希望したのでスタッフの方に自転車の使い方の説明を受け椅子の高さ調整、ヘルメットをお借りして準備完了。皆さんの準備が整ったところで本日のガイドさんからご挨拶と本日の行程の説明を受けました。初めて訪れる場所でどんなところを走るのかわからないと「ついていけるのかな?」とドキドキしてしまうのものですが、紙芝居のようにイラストで行く場所や走行距離、コースの高低差などを説明してくれたのでとても分かりやすく安心しました。この日の参加者は9名とスタッフ2名、天気も最高!ゆっくり走ってくれるガイドさんの後ろについて初めて見る景色を楽しみながら走ります。さすが、ル・サイクさんのレンタサイクルは手入れがされており、安心して乗ることができました。
出発してからほんの一瞬、車通りのある市街地を走りますが、すぐにつくば霞ヶ浦りんりんロードに突入。りんりんロードへは案内板や青い線が道路上に引いてあったりとご自身で走る場合でもわかりやすくなっています。自転車・歩行者専用道路だけではなく、一般道路(国・県・市町村)も含まれているので車両等には注意が必要な個所もありますが、サイクリングロードとしての気持ちよさを充分に体験することができます。
出発から10分程度で1つ目の休憩場所「りんりんポート土浦」にて準備運動、サドルの高さチェック、再度自転車の操作方法の確認など、ここまでくる間にわからなかったことなどを説明してくれました。積極的にわからないことを聞けば優しく教えてくれますので、初めてスポーツタイプの自転車に乗る方は我慢せずに遠慮なく質問しましょう!
土浦といえば「れんこん」です。作付面積、生産量とも日本一の茨城県。その中でも、土浦市は中心的な産地です。ハスの花は東京だと上野恩賜公園の不忍池や水元公園などが有名ですが、土浦のハス田は規模が違います!右手には日本で2番目に大きな霞ヶ浦の湖が、左手にはどこまでも続くハス田が広がり、その景色があまりにも壮大で思わず「わーーーー!!」っと叫びたくなるほど。青い空、白い雲、緑の大きなハスの葉の間から顔をのぞかせる大きくほっこりと咲くハスの花、きらきらと輝く湖、すべてを照らし出す太陽。あー、自転車ってなんて気持ちよいんだろう・・・と心底感じる瞬間を沢山味わいました。
1日通して上り坂がとても少ないコースでしたが「本日1番きつい登り坂です!」とアナウンスを受けた後、「確かに(笑)」と、見えてきたなかなかの上り坂。自転車を押して上がるもよし、頑張って漕ぐもよし、自分が楽しめるスタイルで楽しめるのが散走イベントのいいところ。スタッフの方はもちろんのこと、他の参加者の方も登り切った先でゆっくりと息を整えながら待っていてくれます。坂を上ると景色ががらっと変わり、風情あるお寺や街並みが続きます。坂の息切れを整えるべく「霞ヶ浦環境科学センター」の芝生の上で一休み。高台から霞ヶ浦とハス田を眺められる気持ちの良い空間で、土浦が誇る老舗どら焼き専門店志ち乃さんの「はすどら」を用意してくださっていたのでみんなでいただきました。ハスの実を甘露煮にしてはさんだという珍しいどら焼き。旅の醍醐味はその土地でしか味わえないおいしいものを食べること!ここでもハスにまつわるお話を紙芝居形式で話してくださり参加者一同「へー!」と関心しながら、どら焼き片手に会話が弾む楽しいひと時を過ごしました。
眼下に広がる湖を見ながらサーっと爽快に坂を下り、ガイドさんが「ちょっとこの景色すごくないですか?」と止まって見せてくれたのは、まるで北海道を思わせるようなまっすぐな道がどこまでも続いているようなハス田ロード。写真を撮らずにはいられません!東京では味わえない絶景、建物が邪魔をすることのない絵画のようなこの景色を前に、しばらく動けなくなり、微笑みながらただただ眼前に広がる風景と見つめていました。
最後の寄り道はオランダ型風車が目印の霞ヶ浦総合公園。ここでは何種類かの違ったハスの花を楽しむことができました。大きくそしてほっこりと優しく咲く花に囲まれた散歩道をゆっくりと歩いていると道の向こうから突然ヘリコプターが現れビックリ!ここでは日によって遊覧飛行を楽しめるそうです。風車下の花壇にも季節の花が沢山植えられ、青空と花々の色彩が最高に美しく、目を楽しませてくれました。土浦駅から出発して約3時間、20キロ少しの旅はあっという間に終了。クロスバイク、ロードバイク、E-スポーツバイクなどいろいろな車種の自転車が一緒になって走った散走でしたが、常にゆっくりとしたペースで走ってくれました。楽しみながらシティーサイクル以外の自転車を体験してみたい方にも是非お勧めの散走です。解散時間は13時。お昼ごはんは地元のおいしいお店などを紹介してもらって各自で楽しむことができるのもいいですね。
食後は土浦自慢の駅ビル「プレイアトレ」の館内巡りへ出かけてみました。まず向かったのは自転車好きに嬉しいホテル「土浦BEB5」。土浦駅から直結のホテル入り口を入ると、さすが星野リゾートと思わざるを得ないセンスが光るエントランス。自分の自転車はホテル内に持ち込めるので安心。手ぶらで楽しみたい方は宿泊者用E-スポーツバイクのレンタルもあります。
エントランスホールには自転車巡りの計画をワイワイとたてられる食べ物持ち込みOKのラウンジや、カフェスタンド、自転車を漕いで自分でスムージーを作るコーナー(笑)など遊び心がくすぐられる仕掛けもあります。部屋でくつろぐもよし、ラウンジで楽しむもよし、プレイアトレ巡りを楽しむもよし。万が一雨が降ってもぬれずに楽しむことができます。
お部屋の種類によっては自転車を部屋まで入れることができますが、そうでない場合は廊下に手すりのようなものがあるのでそこに自転車を鍵などでくくって留めるようになっています。宿泊者が自由に利用できるメンテナンスルームも完備。工具もしっかりそろっています。駅ビル内にあるので電車の音が気になるかと思いきや、きっちりと防音がされておりますので心配ご無用。自転車目的ではなくテレワークなどで利用する方もいるそうです。納得。とにかく土浦を自転車で存分に満喫するためにもぜひ泊まってみたいホテルです。ホテルにレストランはありませんので地元のおすすめを聞いて食べに出たり、プレイアトレで楽しんだりと時間を気にせず自由に楽しむことができます。
プレイアトレの駅ビルに入るとまずびっくりするのが、施設内を自転車を押して通行できること。通路には青いラインが引いてあり、本屋の前もパン屋の前も・・・このラインが引いてあるところは通ることができますし、エレベーターも乗ることができます。お店の中に入るときはサイクルスタンドを利用します。そんな商業施設なかなかありませんよね?更衣室があったり、シャワーがあったり、とにかくサイクリストに優しい土浦駅。プレイアトレ土浦は2018年3月、レンタサイクルや駐輪場、自転車ショップ等が入った地下~1階にかけてのBIKEBASEを第1弾としてオープンさせました。その後順を追い、2020年3月、第4弾のホテルBEB5がオープンしたことでグランドオープンとなりました。
サイクリストのために進化を遂げ、さらに進化を続けている土浦。2018 年BIKE BASEがOPENしたときに取材した模様はこちらからご覧いただけます。
11/14には電動アシストスポーツバイクで土浦を巡る「そば打ち散走」などが予定されております。詳細、お申し込みなどは主催のプレイアトレ土浦もしくは散走を実施するル・サイク土浦のホームページからご覧いただけます。下のリンクボタンからご確認の上、ぜひ遊びに行ってみてください!