暑さが抜けて風を心地よく感じるようになったら、
散走で日常からはなれたひとときを。
夏の名残の桃をジャムにして、自転車で木立を抜けて、
気軽なピクニックを楽しみます。
果物は季節の便り。あっという間に見かけなくなったと思ったら、また新しい果物が季節の変化を教えてくれます。夏の名残の桃があれば、この香りと甘みを長く楽しむためにジャムにするのがおすすめ。コトコトと煮詰めているとコロッとした果肉にツヤが出てきて、なんだか愛着がわいてきます。
そっと瓶に詰めて冷蔵庫で冷やして、スイーツや料理のアクセントなどいろいろと試してみるのもいいですが、美味しく仕上がったときほど誰かにおすそ分けしたくなるもの。せっかくなのでちょっと特別なシチュエーションをつくってみましょうか。
友人や家族、パートナーなど、大切な人と一緒に自転車でプチピクニックを楽しむ散走へ。決めているのは「緑のある方へ進む」ことだけ。どっちにしよう?あっちに行ってみる?と話しながら、木立の中をのんびりしたペースで気ままに散策します。木々のざわめきに耳をすましたり、好きな風景を写真に収めたり。そんな寄り道タイムが、ゆったりとした時間の流れを感じさせてくれます。
お腹が空いてきたなと感じたら、ピクニック開始のサイン。特等席を見つけたら自転車を降りて、セッティングをはじめましょう。2人でシートを広げて、バッグからパンやコーヒー、クリームチーズ、そして主役の桃ジャムを出してスタンバイ。風に乗って落ち葉がひらひら舞い降りてくるのも、自然の中にいることを感じる瞬間です。
バターたっぷりのブリオッシュにクリームチーズとお手製桃ジャムをのせて、パクッ。同じものでも家で食べるときとこんなに違いを感じるのはなぜでしょう。美味しさの満足と気持ちよさが身体の中を満たして、思わず「あ〜」と声が出てしまう解放感。窮屈になりがちなこの日常には、自然に還ることが一番大切なのだなとあらためて感じます。
よくよく見ると、落ち葉の中には緑色から赤みを帯びたものも。そう、まさにいま、夏から秋へと季節が変わりゆく瞬間。桃の余韻と少し冷たい風が、夏と秋の季節の狭間に立たせてくれているような気分にさせてくれました。風を感じて、目を凝らして、散走で「季節のあいだ」を見つけにさあどうぞ。