山口県長門市 文学と食を楽しむ会「金子みすゞ うれしいまなざし」
山口県山陰側の美しいコバルトブルーの日本海と、棚田百選に選ばれた東後畑棚田が織り成す絶景が広がる長門市。潮騒の響き、海山の美味、温泉のぬくもり…。心も身体も癒せるまちではサイクルツーリズムを促進しています。
今回は、朝陽と夕陽に会えるまち長門市仙崎に生まれた幻の童謡詩人、金子みすゞさんの作品とまなざしについて、 2003年から 金子みすゞ記念館(山口県長門市)の館長を務められ、第13回童謡文化賞を受賞された矢崎節夫館長をゲストに迎えご紹介いただきました。
「あなたと、わたし」常に相手を思いやる優しさと感謝の気持ちを童謡にした金子みすゞさんの生き様を、現代にも継承している矢崎先生のお話はとても心に響きます。
イベント後半は、自然の恵みたっぷりの長門市の食材を使った特別メニューや、地酒の試飲などもお楽しみいただきながら、長門市の4名にご登壇いただき、開湯600年渡り受け継がれてきた山口県最古の”神授の湯”「恩湯」再生みらいプロジェクトの取組や、道の駅センザキッチンで貸出している車種豊富なレンタサイクル、散走スポットなど、長門の魅力についてたっぷりご紹介いただきました。
今回のフェア及び、イベントレポートも、ぜひご覧ください!
(photo:TANAKA HIKARU)
<メニュー>
OVEが大切にしている東洋思想の五行論図(五味五食、五臓六腑、五季など)を基準に、ながとの食材をつかった、秋の季節にぴったりのメニューをご用意しました。
① 食前酢/さしすせなし酢
② ながと海の幸カットピザ/平太郎・金太郎オイル漬け
③ 長州どりと、黒かしわ バスク風ピンチョス
. ゆずきち柚子胡椒、百姓の塩、アカモクの塩
④ ながと野菜と、焼き抜きかまぼこのピンチョス
⑤ 長州どりの油淋鶏/さしすせなし酢、ゆずきちコンフィチュール
. 揚げた鶏肉に、中華ではお馴染みの甘酢ソースかけ
⑥ グルグルグリーンカレーうどん/白オクラ、千両なす
⑦ デザート/ココナッツミルク、のむおまもり甘酒、タピオカ、ブラックベリージャム
長門を訪れたら、絶景スポットやグルメの旅はもちろん、奥深い文学が息づくまちを自転車で巡りながら散走してみてはいかがでしょうか?まちの至る所で金子みすゞさんの童謡がまるで聴こえてくるようです♪
『赤い鳥』、『金の船』、『童話』などの童話童謡雑誌が次々と創刊され、隆盛を極めていた大正時代末期。彗星のごとく現れ、ひときわ光を放っていたのが童謡詩人・金子みすゞ(本名テル)は、明治36年大津郡仙崎村(現在の長門市仙崎)に生まれました。
20歳の頃から童謡を書き始め、4つの雑誌に投稿した作品が、そのすべてに掲載されるという鮮烈なデビューを飾ったみすゞは、『童話』の選者であった西條八十に「若き童謡詩人の中の巨星」と賞賛されるなど、めざましい活躍をみせていきましたが、26歳という若さでこの世を去ってしまいます。成績は優秀、おとなしく、読書が好きでだれにでも優しい人であったといいます。そんな彼女が童謡を書き始めたのは、20歳の頃からでした。めざましい活躍をみせる一方で、23歳で結婚したものの、文学に理解のない夫から詩作を禁じられてしまい、さらには病気、離婚と苦しみが続きました。ついには、前夫から最愛の娘を奪われないために自死の道を選び、26歳という若さでこの世を去ってしまいます。天才童謡詩人、金子みすゞ。自然の風景をやさしく見つめ、優しさにつらぬかれた彼女の作品の数々は、21世紀を生きる私たちに大切なメッセージを伝え続けています。
<ゲストプロフィール>
矢崎 節夫 氏
1947年 東京生まれ。早稲田大学文学部卒業。大学在学中より童謡・童話の世界を志し、童謡詩人佐藤義美、まど・みちおに師事。1982年 童話集『ほしとそらのしたで』(フレーベル館)で、第12回赤い鳥文学賞を受賞。『金子みすゞ全集』(JULA出版局)を世に出し、以後その作品集の編集・出版に携わる。特に、長年の努力の集積として執筆した『童謡詩人金子みすゞの生涯』(JULA出版局)においては、1993年 日本児童文学学会賞を受賞。ネパールにみすゞの名前を冠にした小学校が建設されるなど、その活動は多岐に広がり実を結びつつある。2003年 金子みすゞ記念館(山口県長門市)の館長に就任。2014年 長年にわたって「金子みすゞ甦り」に努めた業績と、童謡集『うずまきぎんが』が評価され、第13回童謡文化賞を受賞。(講演依頼・講師派遣のシステムブレーンHPより)