レポート 都心を超えてウォーターフロントへ
天気予報が曇りになり実施を決めたこの日の散走、その日になってみると雨雲レーダーにも現れない霧雨がサラサラと振ったり止んだりの空模様。ちょっと雨が弱くなったようで出発してみたものの、霧雨は次第にシトシト雨に。各々雨具を着て対応しますが、それでも濡れながらの自転車は盛り上がりません。
だったら雨宿りしてしまおう!と、進路変更。六本木の国際文化会館を目指し、カフェに突入。
雨に濡れて緑が活き活きと輝く日本庭園を眺めながら、思い思いに注文したケーキを前に、雨宿りが至福の時間に変わります。ん?まだあまり運動していない気がするけれども、こんなに食べて良いものか??モチロン、良いのです!散走ですから。
雨に濡れた緑がきらきら輝く日本庭園は植治と呼ばれる京都の伝説の庭師、7代目小川治兵衛の作。
土地は第四代三菱財閥総帥の岩崎小弥太邸の跡地。建築は前川國男、坂倉準三、吉村順三の3人が共同で設計。建築散走でも訪れたことのある見どころ満載の施設なのです。
雨があがり、庭園では結婚式が始まった頃合いをみて再出発。東京タワーを真下から見上げ、芝の大門をくぐって、浜離宮の脇から築地大橋を目指します。
環状2号線の虎ノ門から続くトンネルと築地大橋が繋がり、仮に接続されていた道路は切り離されましたが、脇を走る歩行者自転車道はそのまま、浜離宮を右手に見ながら築地大橋へと向かいます。左に広がる築地市場跡地、歩行者自転車道脇はガードレール置き場なのか、いろいろな種類のガードレールが大量に、整然とならべられています。見慣れない景色。
築地大橋を渡ると高層マンションが林立する勝どきエリア。もともと築地市場に近いために存在していた倉庫街の手前に新しいキラキラした街があるのです。
この日ランチで目指すのは、その勝どきの倉庫街にあるその名も「マグロ卸しのフィッシャリーズテラス」
倉庫を持っているマグロ卸業者が、倉庫の脇の運河沿いに作ったほぼオープンエアーのお店なのです。
モチロンおすすめは海産物!よりどりみどりの海鮮丼がメニュー写真に並びます。こんなの選べない!
海辺のリゾート風の(もしくは洒落た海の家風の)店内、目の前の運河を見渡すと、向かいの晴海のみならずレインボーブリッジも視界に入ってくる、そのうえ海洋大の練習船がすぐ傍に停泊していて、「海!」な気分がどんどん盛り上がるのです。
さて、実食。
マグロ卸し屋さんのマグロ丼、モチロン美味しいに決まってます。いやもう最高です。でも、メニューにあったラーメンも気になります。
OVEのカフェと同じようにお店の事が書かれたランチョンマットを敷くのですが、そこに書かれたお店のストーリーも、惹き込まれるものがありました。
食後は勝どきからいったん豊洲へ渡り、晴海トリトンの先から月島方面に渡り返します。
新しい高層マンションと昔ながらの水辺の風景で、東京のサイクリングでは名所となっている佃小橋ですが、その高層マンションも古株は築35年、実は昭和の建築なのです。
さらに関東大震災前は両国橋だった(一部を移築した)南高橋など、佃から銀座に向かって水辺を感じる道を走ります。そう、首都高速ももともとは運河だったのです。
日比谷公園でビールのお祭り(5月なのにオクトーバーフェストとは!)をやっているのを横目に見ながら、OVEを目指します。ちょっと喉も乾いたので、HONDAのカフェに入ろうと思ったら、イベントをやっていたようで、満員!
ならば!と立ち寄ったのが「伊良コーラ」(いよしコーラ)。クラフトコーラブームの立役者とも言われているお店です。キャットストリートにある店は小さいので全員が中には入れません、ということで道端でコーラの立ち飲み。
面白いのですが、最初はそこそこ空いていたお店が我々が立ち飲みしていると、人がどんどん集まってきて、「さて帰ろうか」というころには長蛇の列。
少しでも人が並んでいたらその人が人を呼んで行列ができる、というのは東京の行列の特徴なんじゃないかと思いながら、OVEへ向かったのでした