レポート 【パスポート不要!】新宿で海外気分を味わう散走
建国記念の日、OVEを出発して、東京の中の外国を巡る散走を行いました。
今回の目的地は新宿区。高田馬場、大久保、新宿周辺です。
新大久保周辺といえば「コリアンタウン」。いつでも韓国モノ(食べ物であったりコスメであったりタレントの何かであったり)を求めてやってくる人で賑わっているところ。
昨年OVE散走でネパールをテーマに大久保にやってきてみて気づいたのは、韓国だけではない。ということ。もちろん、以前から韓国だけではないと、なんとなく感じてはいたものの、「新大久保=韓国」というのが頭に張り付いていていたのです。
でも、韓国ではない部分が一旦気になり、もう一度改めて見返してみると、この界隈には韓国以外にもいろいろな国からきた人たちがいることに気づくのです。
また、北隣の高田馬場は「リトル・ヤンゴン」と呼ばれているとも知り、ならば「いろいろな国からやってきた人たちの生活にふれる(立ち入るほどではなく、少しだけ触れてみる)」のはどうだろう、ちょうど短期で海外旅行に行くのと同じような感覚で、この界隈を散走してみよう。
というわけで、建国記念の日の朝、OVEを出発。「世界」に向かって走り出すのでした。
ちょっと北風強め、向かい風のなか新宿方面を目指します。北参道から代々木の街を抜けます。南新宿にある石森プロの前では仮面ライダーのフィギュアやサイボーグ009のポスターに反応する先頭のオジサン(私です)。チラ見を兼ねて小休止。初台の交差点を超えて神田川へ向かう裏道を更に進みます。ちょっと気になる小さな古めかしいお店たちを横目に見ながら住宅街を走っていると、突然視界がひらけて神田川にたどり着きます。
見上げると視界に入る高層マンション、そういえばまだ新宿界隈だということに気づきます。青梅街道を渡る、神田川に掛かる橋は「淀橋」。
そのまま神田川と並走する道を進みます。ところどころで梅の花が咲くのを見かけます。そういえば、この冬はあまり寒くはなかったなぁ、などと考えながら、東中野の街をかすめて落合へ。
落合駅脇の踏切をわたり、駅前を通るとき、可愛いライダーが超小型自転車を巧みに乗りこなしている場面に遭遇しました。
妙正寺川と神田川が「落ち合う」場所、なのですが、実は現在の神田川と妙正寺川の関係はちょっとフクザツ。実は、この記事を書いていて、自分の間違いに気づいてしまったのでした!
現在の神田川と妙正寺川は一旦落合で「神田川の一部を枝分かれさせて妙正寺川に合流し(合流点から下流は高田馬場分水路と呼ばれる)、明治通りの手前で、改めて神田川に合流するようになっているのでした。
https://www.kensetsu.metro.tokyo.lg.jp/content/000047320.pdf
西武新宿線の線路を渡り返すと、高田馬場の街が近づいてきます。さかえ通りの喧騒を抜けて駅前の駐輪場へ...と思ったら、なんと駅前にある駐輪場は日曜休みなのでした!そのうえ、3日前に下見したときにはあった高架下の壁画もきれいに消えていたのです。なんてことだ...
気を取り直して少し離れた駐輪場に自転車を置き、駅前にある雑居ビル「タックイレブン」に向かいます。
リトルヤンゴンと呼ばれることもある高田馬場。界隈にミャンマーの人たちのコミュニティができたのは、この30年ほどのことだそうです。もともとは中井周辺にできたコミュニティが山手線方面に動いてきたとのこと。
タックイレブンは名前の通り?11階建てのビル。早稲田通りから脇に入った入口(早稲田通りにも1, 2 階テナント用の入口はある)脇のエレベーターは1-4階までの低層階用と5−11階の高層階用に分かれています。1-4階にもミャンマーの店(飲食店と食料品店)は幾つか入っているが、上層の方が圧倒的。というわけで、エレベーターで11階に上がって順番に降りていくことにしたのですが、エレベーターを待っている時点で、もう日本語話者は少数派。庫内ではビルマ語で溢れ、◯がたくさん重なったようなビルマ文字に困惑するのでした。
でも、困惑しているだけではもったいない。突撃あるのみ!とGoogleレンズを駆使して、ビルマ語は翻訳。これはなかなかおもしろい。チンプンカンプンの文字が突然意味を持った言葉として紡ぎ出されるのだからたまりません。
ビルの中を11階から下りながら気になる店を覗きます。日本語でコミュニケーションが取れる店員さんもいるので、質問しながら「お宝」を物色。
ちなみに私は、ミャンマーの人が朝ご飯に食べるという麺(インスタント)を2種類、小さいマンゴー(マヤンディーというらしいhttps://burmese.tokyo/blog/mayun-thee/))とガピ(←のリンクのものを作れる)を買いました。
タックイレブンを後にして、次に向かうのは大久保。山手線の線路沿いには外国語学校があったり職安があったり。新大久保駅に近づくにしたがって、日本語ではない看板が増えてきます。中国人を対象にしていると思われる予備校や、ちょっと気になる韓国風コーヒーショップなどなど。ハラルフードを扱うマーケットが並んでくると、ここはもう新大久保。
山手線の西側(外側)はこんな感じですが、山手線をくぐると世界は一変。コリアンタウンと人・人・人!駐輪場に自転車を置き、徒歩でランチに向かう道は人をかきわけかきわけ、やっとの思いで目的地にたどり着くのですが、入口にはおいしそうなホットク屋があり、ここにも行列!
さて、ホットクの香りをかぎながら雑居ビルの中に入り、エレベーターで4階へ。目的のランチは昨年夏にも訪れたネパール料理の店「アーガン」。昨年イベントでお世話になった、登山家の竹内洋岳さんおすすめのお店です。(03-6233-9610, 予約可, 11:00-23:30, 無休)
店内はガチな感じではなく、上品な雰囲気ですが、料理はガチ。多民族国家ネパールの中でもネワリ族とタカリ族の料理が食べられます。ちなみに、そのタカリ族、ネパール国内でも「タカリ族のメシは美味い」と言われているそうです。(調べてみると、「根拠」や「説」がいろいろと飛び出してきて面白いのですが、正解は見つからないのでここまでにします)
で、みんなそろってタカリ族のランチプレートを注文。(ちなみに、私は夏のOVE散走のときにネワリ族のプレートを美味しくいただきました)
じゃーん!と出てくる豪華プレート。ぱっと見た感じではそれほど量があるように見えないのは、ここの盛り付けがあまり大きくないからなのか。でも、食べだしてわかるボリューム。竹内さんによると、ネパールの人たちはよく食べるそうで、それも「半端ない」ほど食べるそうで、それはこれまでの下見でも十分経験してきたのですが、やっぱりお店を出るころにはすっかりお腹いっぱい、幸せな気分だったのでした。
食後は、腹ごなしにちょっとお散歩。大久保通りは人が多すぎるので、裏道からショートカットしようと思ったら、ずっと枝道がなく、ずいぶんと北の方まで歩かされてしまいました。いま線路脇にある住宅展示場は、その昔ロッテの工場があったところで、このあたりを自転車で通ると甘〜いガムの香料の匂い(と思われる匂い)が充満していたんだよー。などと、いつの時代ですか、という話をしながら再び大久保の街に戻り、ハラルショップに潜入。店内でテイクアウトの食事を作っているお店だったので、こんがりと焼けたチキン?の香りが充満する中、スパイスや変わったお菓子、ドリンクなどがならぶ棚を物色します。
スタッフ2名は早々に見学を終え外で待っていたのですが、誰も出てきません。まあ楽しいお店なので、その気になれば一時間くらいはいられそう。外ではパキスタンかバングラデシュから来たのではと思われる、立派なヒゲを蓄えた男性3人が立ち話をしていたのですが、その中のひとりに店内に入ろうとした観光客がぶつかって、そのまま行ってしまったらしく
「ぶつかったら、あやまれよ〜」「✕✕✕✕!」
みたいな愚痴と悪態を流暢な日本語で吐き捨てていたのにスタッフ浜田は大ウケしていたのでした。さらにしばらくしてから、買い物でカバンを膨らませて全員集合。
さて、自転車に戻ったころには、もう海外気分を満喫!最後に人たくさんでカオスな新宿を抜けて明治通りに出ると、静寂の中に解き放たれたような気分になったのでした。普通に車は走っているし適度にうるさいはずなのに。
こうして無事 "帰国"した一同、OVEに向かって帰途についたのでした。