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ジュシザリベ・ア・パリ! パリに到着しました

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© Paris Tourist Office - Photographer : Amélie Dupont


パリ・シャンゼリゼでツール・ド・フランスを見ることはおすすめしない。だってものすごい人だかりで、数時間前からフェンス際を確保しないとマイヨジョーヌがどこを走っているかもわからないからだ。それにシャンゼリゼは、それまでの22日間とは雰囲気が違う。すでに大勢は判明していて、超満員の大観衆を喜ばせるスペクタクルなライディングショーだ。たまたまパリを訪れていた観光客が、タダで楽しめるサーカスに出くわしたようなノリだ。

ゴールラインの手前400mほど、コンコルド広場の北西の角に選手の家族が到着を待ちこがれている。みんな祭りが最高潮のフィナーレを迎える瞬間ばかりに気を取られながら。220年前、ルイ16世やマリー・アントワネットの首が転がっていた場所であることも、まったくお構いなしにである。

チームカーはことあるごとにコンコルド広場に停車し、後部座席に乗るスポンサーを入れ替えて大観衆で埋め尽くされたシャンゼリゼを1周する。もうすでにチームマネージャーの頭は来季のスポンサー契約のことでいっぱいで、すでに営業を開始しているのである。


パリに到着する朝は最後のフランスの田園風景を目に焼き付けておいた


自転車専門誌のサイクルスポーツで9年間、ツール・ド・フランス別冊付録の総編集を担当し、巣立った後の1997年から22年連続での全日程を取材したことになる。もちろん経費も体力もそれは相当大変なのだが、ボクが大会の全日程を回ることにこだわるのは理由がある。区間1勝はできなかったが、はいつくばってもパリまで走り抜きたい。そんな選手の気持ちを共有したいからである。

選手の10分の1程度の労力だが、全日程を取材するのもちょっとだけ大変である。肉体と精神力の限界まで原稿執筆に没頭することもある。役割こそ違えど、開幕地からフランス一周の旅をともにし、パリにゴールすることで選手の気持ちもっと理解できるのではないか。プロチームのアシスト役は成績など関係ないので、役目が終われば途中でレースを捨ててしまうというエピソードもプロらしい。でも世界最高峰のステージレースは、もちろん優勝すればスゴいのだけどパリに完走するのも勲章なのではないだろうか。


ゲラント・トーマスがマイヨジョーヌ © ASO


2018年は優勝争いが思わぬ展開となり、だれもが予想していなかった結末になった。それでもツール・ド・フランスにふさわしい好レースとなったと思う。そんなフランス一周レースを選手とともに完走できたことが本当にうれしい。毎年のことながらもう疲労は限界まで達し、ヘロヘロでゴールしたが、来年もこの場で頑張れるように11カ月間かけて準備したい。(山口和幸)

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