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カーゴパンツだった女子スタッフがスカートに…それがパリ

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ピレネーの田舎にあるホテルは以前泊まったことがあって、経営者も覚えてくれていた


ディレクション・ア・パリ。いざパリへ。なんてしみじみとする言葉なんだろう。進行方向に「パリ」の標識が見えると、それは本当に感慨深くて目頭が熱くなってしまう。クルマに乗って追いかけるボクでさえ、ゴールはこの先にあるんだと感慨にふけることができるのだから、選手はどんな気持ちなんだろう?

ところが2018年は最終日前日になってもパリの標識は確認できなかった。第105回ツール・ド・フランスはフランス南西部、パリまで800km離れたエリアで最終日前日を迎えた。すぐそこの国境を越えればスペインである。スペインチームは多くのスタッフが最終日のパリには行かず、ここで帰路に着くはずだ。


ツール・ド・フランスはまだまだ終わらない


日本人的な感覚では「ここまで頑張ったのにパリに行かないの!」と残念がるだろうが、すでに戦いは終わっていて、往復1600kmの移動がそれに見合う成果がないのである。彼らはプロ。無駄なオカネはかけないし、次週から別のレースへの帯同を命じられるかも知れない。

最終日前日は総合成績をほぼ確定させる個人タイムトライアルが行われ、マイヨジョーヌのゲラント・トーマス(英国、スカイ)が、総合2位、この種目の世界チャンピオンであるサンウェブのトム・デュムラン(オランダ)からわずか14秒遅れのタイムでゴール。初の総合優勝を確実にした。

最終日前日のレースが終われば選手もチームスタッフもその年のツール・ド・フランスは「セ・フィニ(終わり)」だ。ゴール地点のサルドプレスで総合優勝者が最後の記者会見を行うのがその証拠。まだ1日あるのだが、これは恒例だ。取材記者もそれをもとに総括原稿に取りかかる。選手はその夜、もう戦いは終わったものとしてビールやワインを飲むし、脂肪分の多いカルボナーラやハンバーグも口にするという。


タイム差を伝えるバイクに乗るのは女性です


こうして選手は最終日のお昼過ぎにちょっと二日酔い加減で近くの空港に送迎され、一気にパリへ。しかしながら機材車両を運転するチームスタッフ(スペインチーム除く)やその他の関係者は800kmの陸路移動である。チームスタッフは前夜に移動をしてパリへの途中で一泊することも多い。つまりその日はもうマッサージもないのである。

そして最終日のジャーナリストはみんなシャンゼリゼのサーキットを楽しむひまもなく原稿書きに追われる。パリ市内のオフィスで作業する人も多いのでサルドプレスの記者はもはやまばらだ。

さあ、気を取り直してハンドルを握ろう。前日までカーゴパンツでコミュニケを配布していた女のコがスカート姿になった。ボクたちが最終到達地とするパリはそんな存在なのである。(山口和幸)

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