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ブログでつづるTour de OVE

アルプスでここぞとばかりにゼイタクするのだ!

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ツール・ド・フランスの通らないアラビス峠にもサイクリストが


ツール・ド・フランスを追いかける旅で一番いいのは、毎年アルプスを訪問することだ。わずか1日しか滞在できないこともあるが、平均すると2日、休息日などが設定されると3日ほどとどまることができる。涼冷な空気に包まれて、ひとときを過ごすのが最高のぜいたくだと感じている。

アルプスに宿を取るときは、ここぞとばかり奮発して静かで心地よいホテルを予約することもある。木陰のテーブルでパソコンをたたいていると、なぜかいい原稿が書ける(気がする)。第11ステージのスタート地点となったアルベールビルは1992年に冬季五輪を開催した都市で、右回りのツール・ド・フランスではアルプスの玄関口となる。ホテルも多くて宿泊しやすいので何度も滞在している。


アルベールビルの市庁舎もツール・ド・フランスを大歓迎


あるときのホテルは冬季五輪時に日本のメディアが宿泊したらしく、マダムが雑記帳を見せてくれた。フランスやイタリアでは「金の本」と言う意味のリブルドールというものがある。これは家系図に似たもので、その家庭や一族の出来事などを記すための大切な書き込み帳だ。昔は金箔でできたページを使っていたのでこの名前があって、このホテルのものも三方の束に金が引かれていた。ホコリがつかないからだ。促されたのでボクも最新ページに一筆。こういうときこそ縦書きしかない。

ツール・ド・フランスの運営関係者やチームが泊まるのはスキー場などのリゾートホテルになることが多い。クラブメッド(地中海クラブ)が運営する滞在型宿泊施設もある。眼下を見下ろせば、緑色の斜面に山小屋ロッジが点在する。まさにバカンス気分だ。

一方でボクが泊まるようなアルベールビルのホテルは、大規模ショッピングエリアに隣接したチェーン系ホテルだったりする。夜はオープンテラスのある地元レストランに食べに行くこともある。このあたりのサボワ地方は、チーズを使った料理や生ハムがおいしい。アルプス観光の中心地だ。産業としては斜面を利用した酪農業が盛んで、特産物はチーズ。そのためサボワ料理といえばフォンデュだ。フォンデュ・ブルギニョンヌは角切りにした肉を油で揚げて薬味をつけて食べる。フォンデュ・サボワイヤルドは電熱線で溶かしたチーズをパンなどの上につけて食べるもの。


ネットで見つけた1泊9000円の4つ星ホテル


それは分かっているんだけど、メニューを理解するのが難解で、ついつい無難なパスタなんかを頼むと大失敗する。とにかくフランスのパスタはゆですぎで最悪なのだ。かくして取材歴30年にして、いまだ美食は極められず。食に対する感性がないのか?

さて、第105回大会のアルプス2日目は、4年連続5度目の総合優勝をねらうクリストファー・フルームのチームメート、ゲラント・トーマスが残り300mで先行していた選手を逆転して優勝。昨年初日の個人タイムトライアルに続く2勝目を挙げた。8区間にわたって首位を守っていたBMCのグレッグ・バンアベルマートは大きく遅れ、トーマスが総合成績でもトップに立った。フルームは1分25秒遅れの総合2位に浮上。

アルプスのウインターリゾートホテルで、フルームは仲間の勝利とマイヨジョーヌをどんな感じで祝福しているんだろう?(山口和幸)

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