OVE

ブログでつづるTour de OVE

ブルターニュでもフランスとベルギーが火花を散らす

UP

英国的なバグパイプもブルターニュ半島ならでは


ツール・ド・フランスは広大な流域面積を誇るロワール川を渡っていよいよブルターニュ半島へ。第4ステージの前半は、今回の開幕地を務めたロワールアトランティック地方だが、後半はブルターニュ地方に突入する。英語で言えば「ブリテン」で、気候や生活習慣がほんのちょっと英国に似ている。敬虔なカトリックが多く、教会の形状も独特。フランスの他地域とはかなり違う生活環境にある。

このあたりは緯度が高くてブドウが生育しないので、ワインではなくリンゴを発酵させたシードルが地域の人たちの飲み物。畜産も盛んで、カマンベールをはじめとした白カビのチーズはシードルといただく。海水がしみこんだ草原で育った乳牛から取ったチーズはちょっとしょっぱい。そば粉から作るガレットも名産だ。


ゴルフ・デュ・モルビアンに浮かぶポナン諸島 © DUBOIS Xavier


歴史的には英仏海峡をはさんでにらみ合う英国と紛争に明け暮れたエリアである。大昔のフランスには英国商船なら襲ってもいいという法律があって、政府公認のこういった海賊は「コルセイユ」、民間の海賊は「ピラート」と単語を使い分けている。フランス語は自転車競技とサイクリング、競泳と水泳を言語学的に使い分けているので、興味のある人は探求してみると深みにハマると思う。そうなっても責任は持たないけどね。

ゴール地点のサルゾはモルビアン県。モルビアンとはこの地方に伝わるブルトン語で、「小さな海」という意味らしい。岬に囲まれた湾が点在し、絶好の漁港を形成している。世界遺産の巨石列遺跡はカルナックという町にあるが、かつて自転車シューズのブランド名として愛用者が多かったので、ベテランサイクリストには懐かしい名前に違いない。


この日はツール・ド・フランスさいたま主催者が現地訪問。すかさずキッズジャーナリストが取材


ツール・ド・フランスがそれほど多く訪問するエリアではないが、たまに足を向けると海産物の豊富さには驚く。ビスケー湾の甲殻類がとてもおいしかったことが印象に残る。エビの殻が固くてトゲがあるので結構痛いんだけど、その身はとてもおいしい。海のものなんだけど白ワインでいただくのがオススメ。好きな人なら7月の牡蠣もいいかも。

さすが観光大国フランスを思わせるロケーション。そしてそんな美しき景観をつないで走る自転車レース。競技場で開催される球技大会にはない魅力がここにはいくつも存在する。

で、レースのほうは午後8時キックオフのサッカーW杯準決勝を意識したかのような「フランス対ベルギー」の図式。フランス勢2人とベルギー勢2人がスタート直後からゴール手前1kmまで逃げ続けた。最後はコロンビアのフェルナンド・ガビリアが第1ステージに続いて優勝するのだが、総合成績ではベルギーのグレッグ・バンアベルマートがマイヨジョーヌを死守。

さあ、早く撤収してサッカーの「フランス対ベルギー」を見ようよという空気が感じられる…。(山口和幸)

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