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前夜祭はマルセイユで

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MARSEILLE © Atout France/Fabrice Milochau


 パリのシャンゼリゼを凱旋する前日はマルセイユで個人タイムトライアルの22.5km。選手たちは2回目の飛行機でひとっ飛びですが、スタッフは機材を抱えて約800kmの大移動。今年は2回も飛行機での移動がありましたから、スタッフの皆様が気の毒で仕方がありません。実は2024年のオリンピックをパリでやりたくて、その際のセーリング競技をマルセイユでやる予定なので、今回どうしても2都市をコースに入れてPRしたかったんだとか。ツールのチームスタッフにしてみれば、いい迷惑ですよね。でも、ご覧ください。夕暮れに沈む美しきマルセイユの景色を。パリ凱旋の前夜祭をマルセイユでやって盛り上がりたいところなのですが、スタッフはレースが終われば即撤収して大移動の準備に取り掛からないと間に合いません。


MARSEILLE/Photo:Emi Murotani


 マルセイユは紀元前600年から続くフランス最古の都市で、26世紀分の歴史を持つ坂の街。上の写真でも分かる通り街中いたるところ坂道ばかりです。地中海で最大、ヨーロッパでも第3位の貿易港であり、のんびり観光する人々よりも商業都市として多くのビジネスマンが訪問する街のため、南仏の街としては観光資源が魅力に欠ける印象があります。
 さてフランス国歌となっているラ・マルセイエーズですが、フランス革命時にパリに駆けつけたマルセイユの義勇軍兵士たちが歌っていた行進曲にパリっ子たちが命名したものです。ところが歌詞を知ってビックリ。最も有名な1番だけ紹介しますと、

祖国の子どもたちよ、栄光の日がやってきた!
我らに向かって、暴君の血塗られた軍旗がかかげられた
血塗られた軍旗がかかげられた
どう猛な兵士たちが、野原でうごめいているのが聞こえるか?
子どもや妻たちの首をかっ切るために、
やつらは我々の元へやってきているのだ!
武器をとれ、市民たちよ自らの軍を組織せよ
前進しよう、前進しよう!
我らの田畑に、汚れた血を飲み込ませてやるために!

いかがですか? 君が代も考えてみれば国歌としてどうよと思う部分があるものの、最早そんなレベルではありませんね。フランス国内でも歌詞を変えた方がいいという意見はあるのですが、一旦定着してしまうと変えるのは難しいようです。


Bouillabaisse/foodal.com/


 マルセイユと言えばブイヤベースが有名ですね。地中海の海の幸を煮込んだ鍋料理です。ラタトゥイユはニースの方が有名。マルセイユにはブイヤベース憲章があり、以下のうち4種類が入っていなくてはならないとされています。カサゴ、白カサゴ、赤カサゴ、足長ガニ、ホウボウ、マトウダイ、アンコウ、西洋アナゴ、イセエビ、セミエビ、野菜や香料として、タマネギ・ジャガイモ・トマト・胡椒・サフラン・ガーリック・パセリ・フェンネル・塩・オリーブ油。そして鯛、ヒラメ、オマール海老、ムール貝類、イカ、タコは入れない。え! ムール貝入っているイメージあるなあと思ったあなた。写真のブイヤベースにもムール貝が入っていますよね。高級店で提供されるオマール海老やムール貝を入れるブイヤベースはマルセイユでは邪道とされているそうです。ただ、あくまでも憲章ですから美味しければ入れたっていいのです。
 加えて出汁(ダシ)は決まった小魚から取ることと短時間で仕上げることとされています。もともとは売り物にならない小魚を鍋で煮込んで食べた漁師料理にルーツがありますから、気取らず素早くが基本なのですね。

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