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アルプス決戦初日

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Le Grand Balcon/Photo © Chemin de fer de La Mure


 いよいよ今日からアルプス決戦です。しかも初日は今大会最高峰となるガリビエ峠(2,642m)越えがあります。ツール・ド・フランスの名勝負を60回も見てきた定番中の定番峠とでも言いましょうか。西の横綱トゥルマレ峠、東の横綱ガリビエ峠というくらい名物峠であることは間違いありません。アルプス山脈は今大会のメインテーマであるフランス5大山脈全制覇の最終コーナー。ここで勝負が決まると言っても過言ではありません。それくらい重要なステージなのです。
 出発地のラ・ミュールにはラ・ミュール鉄道があり、フランスアルプスの西側に広がる山岳地帯のダイナミックな風景が堪能できることから、一般旅行者に人気が高い観光鉄道です。もともと沿線で産出した石炭を運搬するために敷かれた産業鉄道として出発しましたが主力エネルギーが石油へ代わる中で役目を終えて閉山。観光列車に生まれ変わりました。写真はモンテナール・アヴィニョネダムの「大バルコニー」と呼ばれるスポットで緑青の湖面をバックにフォトストップ(撮影用停車)があります。なかなか粋な計らいですね。


Primož Roglič/Winner of 17th stage


 そしてガリビエ峠を制したのはジュニア時代にスキージャンプで世界選手権団体の金メダルを獲ったこともあるプリモシュ・ログリッチ選手。ツール・ド・フランスでステージ優勝するという夢を叶えるために、スキージャンプから自転車へと転向したんだから、と語る27歳のスロベニア人です。
 彼の後方にいるクルマはツールの冠スポンサーのひとつ、シュコダ製。シュコダ・オート は、チェコの自動車メーカーで121年の歴史を持つ老舗です。本社は中央ボヘミア州のムラダー・ボレスラフにあり、現在はドイツのフォルクスワーゲングループ傘下でチェコ国内自動車生産のシェア1位を占めています。日本には輸入されてないので認知されてませんが、ヨーロッパでは存在感があります。


Raclette/hitosara.com/


 アルプスと聞いてアルプスの少女ハイジを連想するのは、一定年齢以上の大人だと思いますが、ハイジも食べていたと思われるのがスイス名産の元祖「溶けるチーズ」ラクレット。ラクレットの名称は「削る」という意味のフランス語「ラクレ」に由来します。レストランには大抵ラクレット専用の電熱器があって(写真はイメージ)円盤形のラクレットチーズを半分に切り固定して切り口を溶かして、じゃがいもやパンの上にナイフで落として行きます。
 ところでスイスと聞いて「山に囲まれた海なし国でしょう。どうやってチーズやら時計やらを輸出しているのかしら?」と疑問に思ったことってありません? ドイツまで陸路で搬送してから船に乗せるのでは、と思ったあなた。いえいえ、実はドイツとフランスの国境にもなっているライン川は大河なので3,000トン級の船舶がスイスのバーゼル港まで登れるのです。
 そしてアルプスとラインは革命記念日を祝日とした1880年に行われたアンリ・マルタン上院議員の名演説の途中にも出てきます。「革命はフランスに自身の精神を示した。そして覚えておくのだ、我々の歴史で最も美しく純粋なこの日、国の端から端、ピレネーからアルプスやラインまで、すべてのフランス人は手をつないだ。」

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